ふれあいの里さかもとから慈眼寺(穴禅定)へ

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歩き遍路中に寄り道

 11番藤井寺から12番焼山寺へ向かう遍路ころがしは徹底的に転がされて大変でした。次の遍路ころがしへ向かう前にどうしてもお休みしたかったので、現代の桃源郷と伝えられるふれあいの里さかもとで一泊させてもらって体力をつけてから上ることにしました。さかもとから歩いた慈眼寺は88か所の一つではなく、20番鶴林寺の奥の院という位置づけらしいですが、徳島県での歩き遍路中、最も思い出深いものになりました。

遍路道を外れてバス乗車

前日は19番立江寺近くのお宿「鮒の里」に泊めてもらいました。遍路道から外れる徳島バス勝浦線の「生名」バス停からバスで向かうことにします。バスの便が少ないので日の出直後から鮒の里を出発し、歩き始めました。生名の近くに着いた頃はちょうど小学生の登校時間帯に差し掛かったので明るく元気に挨拶してくれる子供たちとすれ違って足取りが軽くなっていきます。最初は間に合うか不安でしたがバス停にはぴったり5分前に到着することができました。

速度標識の向こうにバス停の看板があります。左に行く遍路道は明日行くことにして、今日はここからバスにのってさかもとに向かいます。後でさかもとの人に聞いたのですが、実はこの近くに道の駅があって、そこからさかもとに電話すると迎えに来てくれるのだそうです。でも私としては、バスに乗って知らないところへ行くのは悪くない選択でした。

バスの乗客は私だけです。朝の9時に田舎行のバスに乗る人はいないのでしょう。

最初は広い道を快適に進んでいきましたが、徐々に道が狭くなっていき、普通の軽自動車ともすれ違うことができない状態になってきました。このあたりではバス停はなく、乗りたかったら手をあげ、降りたかったら声をかけるとよいのだそうです。

ふれあいの里さかもと

八幡神社のあるあたりのバス停で下車し、付近を見渡すと大きな学校の校舎が見えます。これがふれあいの里さかもとです。

到着時朝日に輝いていました。

小学校として継続利用できなかったことは残念ですが、改装して非常に過ごしやすい宿舎・研修施設に生まれ変わっています。ホームページを見ると、様々な活動をしているようです。早めに予約すると1番乗りで、校長室に宿泊できました。

慈眼寺へのハイキング

ふれあいの里さかもとから慈眼寺は片道1時間30分くらいのハイキングになります。高低差もそれほどなく、ややこしいところはピンクの目印が取り付けられていて、道に迷う心配もありません。さかもとで以下のような地図がもらえて、丁寧に説明してくれました。道中は素晴らしい集落を通ります。果実がたわわに実り(すだちなのか?)、遠くに鶏舎の鳴き声が聞こえ、まさに桃源郷のようなところです。

都会へ出て働いたり勉強したりしてしまいましたが、都市では得られない不思議な豊かさを感じました。

慈眼寺

お寺自体は自動車でも行けるところで、ツアーバスでとうっ着する人もいるようです。入り口わきでトイレを拝借しました。上品とは言えないですが趣深い注意書きが掲示されています。無料で借用するのでこぼさないように気を使います。

急ぐとも 心静かに 手をそへて 外にこぼすな 松竹のつゆ

穴禅定は生命の危険があり、勝手に入ることはできません。何人か希望者が参拝に来ると、先達が登場します。先達(せんだつ)は100年以上生きているように見えるおばあさんです。私は胸板が厚めで、通れるか微妙だったのでまずは本堂前の確認柱を通れるか試すことになります。息が苦しいですがぎりぎり通れる状態です。

修業はまさに修業でした。自分一人の工夫では全くすり抜けることはできません。先達の指示に従い背伸びしたり、右手を大きく上げたり、とにかく体躯を薄くする工夫を続けないと一歩も進めません。終わったころには心から先達に対する感謝と尊敬の心を覚えます。

灌頂ケ瀧

帰りはふれあいの里さかもとでおすすめされた灌頂ケ瀧へ立ち寄ります。自動車道ばっかりなので失敗したかな、元のハイキングコースのほうが良かったかな、なんて思いながら歩いておりましたが、到着したところは美しい虹がかかる素晴らしい滝でした。

2段の滝両方に虹がかかっていました。

晴れていて10時ころまでであれば確実に虹が拝めるようです。私はお昼頃でしたが十分楽しむことができました。

さかもとで休憩

歩き遍路で立ち寄る方も多いらしく、洗濯機も十分、夕食も心のこもった暖かい食事をいただきました。翌日は頼んでおけばおにぎりも作ってくれ、前日リタイアした生名バス停まで車で送ってもらえるのでした。

こんな地図で説明してくれて、道に迷う心配はありませんでした。

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