毎月分配型ファンドの分配金再投資でドルコスト平均法を疑似体験する

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日本には販売/運用サイドにとって非常に都合がよく、個人投資家にとってはあまり歓迎できない「毎月分配型」の投資信託が多数あります。私も好きではないです。ただ、「少しずつ減りながらも月々出資金を返してくれる」確定拠出型年金のようなもの、と思えば高齢者にはマッチしているのかもしれません。毎月分配金型なのに「分配金再投資コース」を選ぶという、バグをバグでやり返すみたいなことを実践すると、金融機関がしばしば提唱するドルコスト平均法も疑似体験できます。

毎月分配型投資信託

ファンドに組み込まれた配当が分配金として支給される海外の投資信託と違って、日本の投資信託において、分配金の出どころは複雑怪奇です。剰余金をファンド内に蓄積できたり、評価益ベースで計算したり。初めて投資信託の基準価額計算を行うシステム開発をしたとき、「それは詐欺ではないのか?」とお客様(投資顧問会社)に聞いて出入り禁止になった若いころを思い出します。

日本では収益調整金といって、新規流入資金があると既存顧客の分配金が減るから、というある種まっとうな理由で新規顧客に高値掴みさせようとします。(最初の分配金は自分が投資したお金をいきなり返してくれるだけです、場合によっては税金が差し引かれます)

さらに、基準価額が下がると分配金は支払われるのではなく、単に分配金相当の解約金が支払われます。基準価額が下がり続けたら、元の投資額を刻んで返してくれるだけです。(貯金を取り崩すより心理的抵抗が少ない高齢者には非常にありがたいサービスのようです)

分配金再投資コース

せっかく月々の分配金が計算され、「税引き後」同じファンドに再投資を行う、という非常に不可解な選択肢があります。

日本の場合、ファンドが利益を上げているかどうかとはあまり関係がなく、ファンドの分配方針に従って分配金が決定されるのですが特定口座・源泉徴収ありの口座では投資している人の平均取得単価で振る舞いが変わります。

自分が投資した時より基準価額が下がっている場合、税金はかかりません。単に自分が投資した金額の一部を分配金という名称で返金されます。それを原資として基準価額が下がった当該投資信託を自動で買い付けます。

自分が投資した時より基準価額が上がっている場合、2割ほど税金が差し引かれて分配金が支払われ、それを原資として基準価額が上がった当該投資信託を自動で買い付けます。

自分の平均取得単価よりも低い場合は低い額での買い付けになり、高い場合は税金を差し引かれて8割ほどの控えめな買い付けになります。

ドルコスト平均法による投資効果疑似体験

こうしてしばらく放置すると、高値掴みしていた場合、自然に平均取得単価は下がってきます。毎月分配型の投資信託は信託報酬が比較的高めなのでざっくり2%とすると10年放置した場合、運用会社そのほかへの利益として20%を支払い、ファンドの投資対象が20%を上回る利益を上げていれば投資した人も利益を得ることができるようです。毎月分配型投資信託+分配金再投資コースはある程度預金資産を持ってから資産運用をスタートする日本の投資家にとってそこまで非難する商品ではないのかもしれない、と考えなおしました。

ご父兄が販売会社に騙されて信託報酬が超高額の投資信託を買わされてもそれが毎月分配型ならご父兄を非難せずに暖かく見守ってあげるのもよいのです。

本来の投資開始は小額から

ここから余談になります。

まとまった資産が手に入った時、「一括投資か、時間分散投資か」が検討事項になります。時間分散は、論理的にはリスクの後伸ばしです。当初から全額を投資方針に従い資産クラス分散投資するのが最適なのです。が、個人による投資活動の場合、人間は感情を持ち、成長する生き物であることを考慮する必要があります。

最初から投資方針を定義できる人は少なく、自分で定義した投資方針を守ることができる人はさらに少ないです。「年3%くらいの利益」なんて控えめな気持ちでスタートしたらいきなり10%くらい評価額を減らしたりします。そのまま投資方針を変更せず、事前に定義した通りリバランスし続ければ何の問題もないのですが感情に負けるのです。大きな損失ではなくても手数料や税金など、陥穽/罠が驚くほどたくさん仕込まれていて、私も含め、初めての場合は特にたくさん罠にくくられてしまいます。このため、いくら投資に回せる金額がたくさんあっても、投資を開始するのは小額からしかお勧めできません。最初失敗して、反省して継続することができれば徐々にスキルが上がって十分な金額を運用できるようになります。

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