タチンダイ
館の台
鎌倉市ではカタカナで紹介されているので語感的にぎょっとする方が多いですが、建物の台地、「館の台」がなまったものだそうです。
源頼朝が開いたとされる鎌倉幕府ですが、源氏時代は3代30年ほどであっさりと滅ぼされてしまいます。権力を握ったのが北条氏で、この遺跡も北条氏の別邸があったとされるところです。
市役所通りから遺跡へ
鎌倉駅西口の市役所通り(市役所は深沢に移設予定です)を西に行くとトンネルを超えた右手に何でもない草地にこんな標識が立っています。この草地自体がタチンダイではなく(ほとんどの観光客が、ここをタチンダイとして撮影して帰っていきます)柵のすきまから山道に入ります。こんな隙間が入り口には見えないですが、ここが入り口です。
ここから山道を数分進むと広々とした台地が現れます。そこがタチンダイなのです。
広々としたスタジアムのような空間は一見、心地よい自然を生かした建築適地に見えるのですが、実際は800年も前に岩を削り、土地をならした造成地である、というのがこのタチンダイのすごいところです。どれくらいの人月をかけて造成されたのか、資料がまだ見つかっていません。
税務署帰りにおすすめ
鎌倉市が世界遺産登録を目指していたころは重要資産として整備しようとしていたっぽいですが、ユネスコから袖にされた後はこの跡地も放置されているようです。訪れる人もほとんどなく、税務署帰りのくさくさした気分を転換するのには絶好の空間です。気分転換したら税務署に戻る必要はありません。山道の途中で以下のような標識があるのですが、矢印がないほうに歩いていくと峯山と大仏ハイキングコースをつなぐ道に出られますので、源氏山公園へと抜けることができます。